第49話

「…な、に…?」


声が、体が、ガタガタと震える。

何とか、桃ちゃんと寄り添う。


良かった、桃ちゃんも、未遂みたいだ。




…でも、今の状況は??






「おい、テメェら…誰の街で遊んでんだ?」




それは、透き通った綺麗な声で。


それでいて、静かに相手を威嚇する。




「あ???テメェこそ何だよ」


「邪魔すんなよ」


男の人たちは、邪魔が入った事が癇に障ったみたで、助けてくれた銀髪の人に殴りかかる。


「オラァ!!」




パシッ、ダン!!!!




「「えっ??」」


桃ちゃんと、キョトンとする。


助けてくれた人は、殴りかかってきた男の人の拳を受け止め、背負投をした。そして、怯んだ男の人たちの隙をついて、次々に気絶させる。



「お、お前…もしかして、赤猫!?」


男の1人が叫ぶ。



「あ゛??…だったら何だ?糞共」


ギロ、と銀髪の人が赤い瞳で睨むと

男の人たちは、ビビりまくる。



「え、ぁぁあ、あか、ねこ…!!俺らに勝ち目なんて無かったんだ、ぁ!!…ぐァっ!!!」



銀髪の人は、震え上がってた男の人を殴り飛ばした。




「…チッ。ウゼェ」


助けてくれた銀髪の人は、そう呟く。




「あ、あの、ありがとうございました!!」


桃ちゃんが、震えながらもお礼を言う。


「…ん?ああ。…今後気を付けろよ。夜の街は危ねぇから。


…それより早く帰れ、お前ら。


んじゃあ、俺は消える。

…今から来る奴に助けてもらえ」



「えっ?

あ、ありがとうございました!!」


そう言い残すと、ス、と消えた銀髪の人。



…た、助かった…!

でもどうしよう。腰抜けて動けない

人がどうとか言ってたから…その人待てばいいの…?不安!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る