第24話

「よぉ、暁。無事かー?」


「…見たらわかるでしょ、無事だよ」


頭をわしゃわしゃされる。

やめろって、ああもう髪ボサボサになるだろ?

なんて戯れていたら、


「誰ですか?」


なんて声を掛けてきたミオリちゃん。

その言葉に答えて挨拶をするソイツ。


「はじめまして、お二人さん!

俺は暁の高校の時からの友人でな、坂口 歩(さかぐちあゆみ)だ。宜しくー」


「よ、宜しくお願いします!」


「宜しく」


「おー!」


「挨拶もいいけど、樂は?」


「あっ、車で待ってる…」


それを聞いたあたしは、歩の頭を叩く。

馬鹿か。樂は待つのが苦手なんだよ。


一人にしたらすぐ車から出て…



「…暁、おかえり」


あー、あー、遅かった。

あたしの後ろに、樂がいる。





…抱きつくようにして。


「ただいま、樂。とりあえずその手を離してくれるかな?…こーゆーのは、ほら、家で!!」


「…そうだな。家で…」


その意味深な言い方を辞めて…。

明日は立てなくなるかな…?

遠い目になるのは許して欲しい。



さて、あたしが樂といちゃこらしてる間に歩が説明してくれたみたいだ。

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