第79話
この一ヶ月。
実に長い様で短い物であった。
日を追うごとに、性吐会に新入会員それすなわち私が入会したという噂は尾びれを付けてどんどん広まり、これ以上にない孤立を突きつけられていたと思っていた教室内では更なる仲間外れを受けている。
無人島に住んでいるのだろうか。そんな気持ちを抱く程に、私はクラスどころか学年でも望んでいない孤独を提供されている。大変に嬉しくない。
ポツンと一軒家も驚愕の孤立した日常で、唯一私を迎え入れてくれる集団が奇しくも性吐会の人間という悲劇。
散々である。怠惰に溢れ、波風立たぬ凪だけれども幸福な薔薇色高校生活はいずこ。
現在進行形で日に日に孤独を強く感じ、日に日に天文昴晴への殺意は募っていく。
「あの男にどうか名もなき重い罰が当たりますように。」
そんな願い事を就寝前に夜空を飾る星々に言い聞かせているけれど、未だそれが成就する気配もない。
因みにではあるが、もしも本当にもしも性吐会の活動内容に興味関心のある読者がいた場合の為に説明しておくが。
「やぁ御機嫌よう、時雨ちゃん。本日も孤高の生活お疲れ様。」
「誰のせいで独り身になったと思っているんですか。」
「さて、誰だろう。僕でないのは確かだ…「あんたですよ。」」
全員揃いも揃って省かれ者である性吐会の人間は、毎日昼休みになるとここ視聴覚室に集合して食事をしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます