第50話
その先にあるのは逃亡経路であるはずの廊下。
しかしそこには私の行く手を阻む人影が鎮座していた。
「もう次曇なんて嫌いよ!最近はいつもカナちゃんばかり可愛がっているんだもの!」
「待ってミユちゃん!俺はミユちゃんも愛しているよ!」
「次曇君、あんな女なんて放って置いて私だけを愛して?」
「カナちゃん!嗚呼でも俺はカナちゃんもミユちゃんも愛してるよ!!!」
聞き覚えのある名前を呼びながら、きつく二体の人形を抱き締める強面のイケメン。
もうすぐに察した。
「あ~!つーちゃんいたなら早く入って来なよ~!てかてか、今日はカナちゃんとミユちゃん二人と同伴してるじゃん珍すぃー!」
背後から掛かった雷知先輩の呑気が過ぎる一言で、確信に変わった。
「時雨ちゃん、そこにいるのが
でしょうね。それ以外にないと思いましたよ。
こういう時だけ会長ぶってご丁寧に、人形と熱い抱擁を交わすイケメンの紹介をした昴晴先輩は続けて声を弾ませた。
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