第24話

「時に己の性癖を語り、時に己の性欲を吐き出す会。略して性吐会。」


“時雨ちゃんが加入したのは、こちらの方の性吐会だよ。漢字違いで紛らわしいよね、あはは”




かつてこんなにも悪質な詐欺があっただろうか。


誰が「生徒会」ではなく「性吐会」と解釈できるだろうか。




「そんなの私聞いてないです、これは詐欺ですよ。」


「え~。そう言われても、もう時雨ちゃんの希望表は受理されたから三年間はこの性吐会からは逃げられないよ?」





打ち明けられた事実に、軽い気持ちで提出した希望表をすぐにでも焼却させてくれと心から願った。






「こ、この詐欺師!!!」


「ふふっ、騙される方が悪いんだよ?時雨ちゃん?」




それからもう一つ。悪戯に口角を吊り上げた昴晴先輩は絶対に確信犯である。





「生徒会に入らない?」そんな誘いをまんまと受けたのが運の尽き。



高校一年生の春。私は特殊且つ悪質極まりない詐欺に遭った。



とんでもない先輩だらけのとんでもないこの「性吐会」に、三年間の自由を奪われる事がたった今、確定した。

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