第63話

「ただいま」

「おかえり。って、何!?その状態は!!」

リビングから帰ってきたマルリトスを見て、ザクラはお腹を抱えて笑う。

「は!?」

「風呂敷包み背負って!どこに行くんですか!?」

ザクラはひいひい、と呼吸をする。

「うるさい。水神の巫女にされたんじゃ。わしは猫だからの、こうするしかないんじゃ」

「いやあ、鈴ナイスだわ。可愛いよ?マルリトス」

「・・・よし、昼飯要らないんじゃな?」

そう言ってマルリトスは、風呂敷包みを背負ったままザクラの部屋から出ようとする。

「うわ、待って!待っててば!」

力を流し込み体力を消費したザクラは空腹で、慌ててマルリトスを呼び戻した。

「あんまり人をからかうんじゃないぞ?」

「いや、お前猫だろ?」

「・・・本当は要らないんじゃな?」

ザクラが反省していないようだったので、マルリトスは再び自室を出ようとする。

「ごめん、ごめんって!」

ザクラはまたマルリトスを止める。

「分かればよろしい」

「はい・・・」

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