第45話

「す、すいませんでした!」

ザクラが海救主に姿を変え戦い始めて数十分後。

ザクラを奇襲した男たちは尻尾を巻いて逃げ出していった。

ザクラは海救主の姿を解除しながらそれを見る。

「ったく、なんちゅう戦い方してんじゃ」

海宝石からマルリトスが現れる。

「はぁ?」

「襲ってくる輩たちに次から次へと陣をぶつけてさ。逃げ出した輩達がちと気の毒じゃい」

「まぁ・・・ちょっとやり過ぎたかなとは思ってるよ」

「お主は、陣で戦う術しか知らないのかい」

「知ってるし-!」

口を尖らせたザクラを見て、マルリトスはため息をついた。

---じゃが、以前よりは良くなったかの。以前もなかなか目を見張るものがあったけど。

「あ、またため息ついた!マルリトス、あんまりため息をつくと幸せが逃げてくよ?」

「なら、わしにため息をつかせないようにしなよ。ほとんどのため息はお主関連じゃからな?」

そう言って、マルリトスは船への道へ戻っていく。

「どういう意味よ!?」

ザクラは慌ててマルリトスを追いかける。

追いかけながら、先ほどの戦いを思い返す。

---何故かいつもよりからの動きが良くなったように思う。やっぱり、マルリトスの修行のおかげか?認めたくないけど。でも、これを続けていけば・・・。

「おい、50代目。さっさと来ないかの」

少し先でマルリトスがザクラを待つ。

「うるさい!今行きますぅ-!」

ザクラはマルリトスの元へ走っていく。

---待ち受ける運命なんて、ひっくり返すことができるかもしれない。

マルリトスとザクラは、修行の成果を実感しながら船へと戻ったのだった。

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