第4話

小さい頃から絵を描くのが好きだったあたし。クレヨンはいつも沢山の色を使うようにしてた。


小学校ではいつもカラフルなイラストで綺麗だと褒められた。


小学生ながら、一生懸命描いて色を塗った。必ず、一色ではなく、何色も丁寧に彩った。


自分の今まで描いた絵は部屋に飾ってある。お母さんとお父さんが美咲は天才だと褒めてくれ、丁寧に額縁におさめてくれた。


あたしは自分を天才だと思うようになった。周りがそう言うし、疑いもなく信じてる。


ずっと長く、多くの絵を描きつづけたい。


その為になら寝る間を惜しんだ。それに、友達と遊ばずにずっと絵を描いた。


将来の夢は芸術家になることだと心に決めたのは中学の時。


部活はもちろん美術部。


自分より他人の絵が上手いと少しでも感じたら、悔しくてたまらなかった。


だからもっと努力した。デッサンだって毎日続けた。


他人の良い部分を見つけたら、盗むつもりで自分の絵に反映させた。


でも、いつも何故か自分の絵には何か足りないと感じずにはいられなかった。


情熱なら人一倍あるのに、何が足りないか分からなかった。


だから細谷先生に教えてもらったら、何が足りないか分かるはず。


実際、授業や部活の時、先生の独特な教えがいつもあたしにとって刺激となっている。


特に色の使い方については、見たままの通りの色を塗るだけでは面白くない。

だから、あえて自分の感性のおもむくままに意外性のある色を塗る。

その方が、あたしの色彩感覚の良さがいきるとアドバイスをもらった。


おかげで綺麗な写真みたいとよく言われた絵に、緻密ちみつさだけでなく芸術的な感覚が養われた。


あたしの強みが更に良くなったのが嬉しくて、やっぱり先生は凄いと思った。

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