第46話 優しい時間

気が付くと、私と深澤くんはリビングにいた。






感じすぎて、絶頂を迎えたまま寝てしまったようだ。






バスローブも着ている。





「・・・・おはよ。」






「・・・・おはよ。私、ここまでどうやって来た??」






「頑張って、お姫様抱っこで来ましたよ(笑)」





「・・・・・」


「・・・・・・?」


「え”っ?・・・・・えーーーーーーーー!!」


「そんな驚く?」


「驚くよーー!私痩せてないじゃん!重かったでしょ!」


「まぁ、軽くはなかったけど(笑)」






そこは、そんなことないよ。だろ。






「大切な人なんだから、抱っこくらいするよ。」


「.....ありがと...深澤くん。」



私は、愛おしさがあふれ出て思わずキスをした。




「ふふっ、そういえば・・くすぐったいね、マイトくんって呼ぶの。」



「そうですか?.....そうかもしれない。僕も『蓮伽』って、通常で呼べないかも(笑)」



「でしょ(笑)」



「そしたら、二人の時だけにしましょうね。秘めた間柄なので・・・ね。」



「.....うん。・・・・ごめんね。辛い思いさせる事になってしまう...」



優しいキスで口を塞がれた。



「謝らないで、それをわかってて止めなかったのは自分の意志だから。

僕の方こそ、ごめん。蓮伽さんにそんな思いをさせるってわかってて望んだ。」

だから、お互い様。」



ちょっぴり切ない顔をして、私の頭をクシャッとして抱き寄せた。



「それにしても、さ、蓮伽さん・・・あんなに乱れちゃって、意外とMかな(笑)

すごく、興奮した?玄関・・で、なんて(笑)」


「ちょっと、ものすごく恥ずかしいから・・言葉にしないで!」


「あははっ!ごめんね、あんまりにも愛おしい顔をいっぱい見せてくれたから。

興奮したのは、僕のほうかもね。」


「(/ω\*)(照)  ね、、、、慣れてるね。玄関で、、なんて。」


「慣れてる・・?あんなこと、やった事ないよ。初めてだし、抑えきれなかった。だけ。」


「そうなの?....私も、あんなに激しいの久しぶりで・・・」


「え?久しぶりって、、、あるんじゃん。」




マズイ。うっかり発動。少し、機嫌が悪くなった?




「・・・・・まぁ、仕方ないです。経験値が全然違いますから、ね。」


「.....経験値って(-.-)

・・・あんなにビショビショになるくらい感じたのは初めてだった。

自分でもびっくりしてる、体が、あの感覚を覚えちゃったから。」




分かり易く、機嫌が戻った。


(良かった・・・)


「さ、飲み物飲んで。蓮伽さん、しっかり水分取って。

あれで、終わりじゃない、よ(笑)」



冷たい水を持ってきてくれた。




「ありがと。(照).....だよね。深澤くん、まだ・・・だもんね。

私も、もっと欲しい...し。ナンテ((/ω\)」





冷静を装っていたが、私もまだいっぱいしたいと思っていた。

あんなに幸せな絶頂は味わったことなかったから。

深澤くんの気持ちが真っすぐで、泣きたいくらい幸せだったから。





「ん....どうしよう、俺。」



「ん?どうした?」



「こんなに、好きになっちゃって....」




くしゃくしゃな顔をしていて、泣きそうだ。





「どうしようね、私もだよ。他の人に深澤くんを渡したくないよ・・・

こんなに、人を好きになるなんて、ね。困っちゃうね(笑)」





何度も何度も、キスを重ねた。






「落ち着いた・・・?お風呂入ろう。外に、露天風呂があった。

お湯が張ってなかったのでお湯入れといたよ!ちょうどいい湯加減になってるはず。」





「えっ?準備しておいてくれたの??」





「え?うん。なんで??」




「........準備してくれたりって、された事なかったから・・初めて..かも(苦笑)」




「え”???ホントに?」




「うん.....」





「おいで.....」





私の手を取り引っ張った。






足の間に私を促し、後ろからギュッと抱きしめてくれた。






「今まで、頑張って来たんですね。いつでもきっと誰かの為にあなたは尽くしてきた。

これからは、僕がいくらでも蓮伽さんの為にお風呂を洗い、沸かします。

そして、いっぱいキスも、、、するから。」








————————涙があふれた。

こんなにも優しい時間があるなんて.....






何度も何度もまた唇を重ねた。






「さっ、お風呂行きましょう。早く抱きたい。」


「ふふっ、、、うん。」








私達は、バスルームへと向かった。








もちろん今度は歩きで。






(やっぱり、二度目のお姫様抱っこはなかったか。)

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