看護

第69話

………あ、そうだ。救急車で、

バタバタとして、家を出たから、

魅麓の、身の回りの荷物取りに帰らなきゃ。


でも…どうしよう。僕が居ない時に

意識戻ったら……。かなり、心細いよな…。


んー、看護師さんに相談してみるか?…


……んっ!?

今、手を握っていた魅麓の、指先が!

動いた感じがした!!


すかさず、魅麓の名を呼んだ!

「魅麓!、魅麓!」


……反応…無し。………か。

僕の、気のせいだったかなぁ…。




…………「……んっ。」

!?魅麓の、小さな声が聞こえた!!

意識が!戻りかけてる!!

魅麓の手を握りしめ、名を呼び続けた。


…すると………。僕の手を、

すごく、小さくだけど!握り返して、

「…………み、ずき…?」


やった!!意識戻ったんだ!!

「うん!僕だよ!瑞季だよ!!」

「……あれ?…俺。フレンチ…トースト…」

「大丈夫だよ!今ね。ここは、病院なんだ。」

………「病院?…なんで……。」

「魅麓、僕が家帰ったら…リビングで

倒れてたんだよ…。」

「…?倒れてた…のか、俺?…」

「うん!もう、めちゃ!!心配したんだよ!」


「ゴメンな、瑞季…。」

「魅麓が、謝る事じゃないよ!僕が…」


「…それにしても、

この点滴の数…すげぇなぁ。俺、

なんか病気なのか?…」

「栄養失調だって、先生が言ってたよ…。

魅麓、最近ほとんど食べてなかったでしょ?」


「……あー、なんかさ。食欲無くてな。」

「もー!魅麓ったら、こんなになるまで、

食べないなんて……。」

僕は、魅麓を。おもいっきり抱き締め

たかったが、点滴が邪魔して…できなかった

から、そっと。魅麓に口付けを、した////♡


……「!?」魅麓は、目が点になって、

驚いていた。…それが、あまりにも

可愛くて♪もう一度、口付けすると…。

「…み、瑞季!?……レオさんは……」

「もう、良いんだ。今日、店も辞めてきた。」


「…え!?…なんで!店も!?」

「うん。だいぶ稼いだしさ、僕は、魅麓の

傍に居るから!安心してね♡」



「…瑞季。ありがとう。」

「あ、そだ!魅麓ね、暫く入院になるからね

僕、一旦、家帰って荷物取りに行ってくるよ」

「…入院!……も、するのか俺は!!」

「たまには、いいじゃん♪のんびりしても!」

「俺…毎日。のんびりしてた気がするが。笑」


やった!!魅麓が、笑った♡♡♡

「んじゃ、家帰って来るからさ。

魅麓は寝てていいからね!」

「わかった。ありがとうな、瑞季////♡」




そして。……僕は。病院を出てレオさんに…

電話した…。事の、一部始終を話して……

「別れを…告げた。…」



好きなままで…別れなければならない…

辛さを知った。……これ程までに、

ツラいモノなのか…。押し潰されそうだ。


…かつて、魅麓も愛していた「相模」と、

別れを…告げている。

その気持ちが、今なら…痛い程 わかった。

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