第6話

私が、何故。

そこまで祖父の事を"想う"のかは…


父、に理由がある。


まだ…私が、9歳の秋頃に…それは起こった。


何の前触まえぶれも無く、

父が行方不明になった……。


要するに、父は"家を捨て"

出て行ってしまったのだった。。



そして、

私は……のちに、"母親"から

首を絞められ殺されかけた。


…無理心中したかったのだろう。

精神に異常をきたした母親は

まともに仕事も出来なくなり、

精神科に入院させておく事と、なった。


そこから、私と兄を育てる為に

祖父は大黒柱だいこくばしらとして懸命に働いてくれた。


もう、還暦かんれきも過ぎている歳だったが

まだ小学生の私や、中学生の兄を

何不自由無く育ててくれた。


祖父、祖母には、本当に

感謝しても…しきれない程の想いがある。



…こうして、書いている今でも

涙が溢れてまない。


「ありがとう」

この気持ちを、生前せいぜん

もっと、伝えておきたかった…。

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