第2話

祖父が、心臓を悪くして

入院している時に御見舞いに行った時だ。


慌てて駆け付けた私に、開口一番かいこういちばん

「腰は大丈夫かい?」

と、私の事を心配をしていた。


私が椎間板ヘルニアの手術の時に

ちょうど祖父は、風邪をひいていて

私の見舞いに行けなかった事を

気にしていたのだ。


私が「大丈夫?」と、声を掛けたかったのだが

やはり、祖父に先を越された。

…祖父は自分の事よりも

人の心配ばかりする、優しい人だった。


戦時中は、戦争や紛争で負傷した人々を

助ける「日本赤十字社」に

在籍していたと聞いた事がある。



自分の病気よりも

私の心配をする…祖父らしい

最後の言葉が、今でも胸に残っている。

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