第31話

第31話

学校から抜け出して、

アパートに帰って来た。


すぐ私服に着替えて、部屋を出た…


そして…"あの場所"へと向かう。


……大切なモノを、失うとわかっていたが

もう、俺は…立ち止まる事が出来なかった。


なかば、…ヤケクソだった。


ミナトにも、蓮さんにも

優しくしてもらって、助けてもらったのに…


それを、自分から壊すなんて最低だ…。



……着いた。

まだ、昼過ぎだから少し雰囲気は違うが

なんだか、とても懐かしく思えた。


「…ふぅ。」

人通りも少ない。この時間帯に

"買われる"事はないだろうから、

ただ、ひとりで歩道のすみに座った。



俺は、暫く…ボーッとしていた。


すると、


「なにやってんだよ!」


え?…だ、誰?


声がした方向を見ると……


!?

…………蓮さんが、居た!?

え?…何で??


蓮さんは、この場所の事は知らないはず…


駆け寄って来た蓮さんは、

いきなり!

俺の、頭を…ゴツン!!

と、殴った。。


「…痛ってー!」


「痛てー。じゃないだろ!!行くぞ!!」

そう言って…俺の腕を掴み、引っ張って

近くに停めていた車に、俺を乗せると


すぐに発車した。。

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