第1話

第1話

「ねぇ、君。僕と友達にならない?」



……………………。


ん?

俺に言ってるのか?


目を開くと…

俺の顔をのぞき込んでいる男が居た。


今、俺は授業をサボり校舎の屋上で

寝転がっている。いつもの事だった。


眠りを邪魔されて、尚且なおか

「友達に…」などと言うようなヤツに

興味はない。

俺はまた目を閉じた。



「あ!今シカトしたよね?」

……………………………………………。

「ねぇ!起きてよー!!」

………………グゥ~…………。

「今、お腹鳴ったよね!?」



…「いちいち、うるさいなぁ!

何で俺に構うんだよ?どっか行けよ!!」

と、起き上がって言った。すると…


「ジャン♪」

その男は、菓子パンとカフェオレを

俺の顔の前に見せた!


あー、旨そう。……グゥゥ。


「あげる!食べていいよ!!」

と、俺に押し付けた…。


「……いくら?」

「えっ!?」

「え、じゃないよ。パンの値段だよ!

借りはつくりたくない。払うから、いくら?」


「やっと!話してくれたね♪

"あげる"って言ったでしょ?食べなよ!♪」


……どーしよ。払うとは言ったが

確か…今、財布に

お金は、ほぼ無いのが事実だしなぁ…。

借りをつくる主義じゃないけど、

今日のところは…いただくか。


「この借りは必ず返すからな。…パクッ。」

「返さなくてもいいよぉ~♪」


モグモグ…

「そういやさ、おまえって…誰なの?

ってか!俺がココに居る事知ってて来たの?」


「うん!知ってたよ。

僕ね、君のストーカーだから♪」


!?ゴホッ、…ゲフッ!!

思わず飲んでたカフェオレを吹き出した!


「…何なんだよ?ストーカーって!?

それに!だいたいさ、おまえ誰?

友達になれとか…ワケワカメ過ぎるだろ!」


「アハハハハ!なにそれ~!!(笑)

"ワケワカメ"ってヤバい!ウケるぅー♪」

「笑ってる場合かよ!俺は

真面目に聞いてんの!誰なんだ?」


「あ、ごめんごめん。僕は

Bクラスの、神宮寺じんぐうじ ミナトだよ!宜しくね♪」


え、タメなんだ…?見た目は年下っぽいけど

「そっか、ミナトだな。でも、俺は

おまえと"友達"にはならないからな!」

「な、なんでー??いいでしょ~!?

藤崎ふじさきリュウ君!」


流石さすがストーカー。

俺のフルネーム、知ってたのか。。

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