212

 あたしの心臓は爆発しそうなくらい、ドキドキしている。


 真っ赤になった顔を俯かせて、黙って頷いた。


 順平兄ちゃんの車は、一番近くにあったホテルの駐車場に入った。


 どうしよう……。

 あたし……初めてだよ。


 ちかでいられる時間は、まだ十分ある。

 けど……あたしのハジメテが、本当にちかの姿のままでいいの?

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