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「さすがに、寒いね。車に乗ろう」
「うん」
車に乗っても、順平兄ちゃんはあたしにキスをした。
今日はいつもと違うんだ……。
そう……感じた。
唇を離すと、順平兄ちゃんは黙って車を走らせた。
明るくてお喋りな順平兄ちゃんが、急に無口になった。
「ちかちゃん……いい?」
たった一言だったけど、あたしにもその意味がわかった。
海沿いの国道、道路脇には小さなホテルが幾つかある。日は沈み暗くなった風景にホテルの外灯だけが道を照らす。
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