第51話

皆に散々責められて、観念したのかお兄ちゃんはため息混じりだけど、謝ってくれた。




「ちゃんと真面目に学校に行くって約束する?」




「する。……いや、します。」




ビシッと敬礼をする勢いで言ったお兄ちゃんに親衛隊の面々がニヤリと笑う。




「お詫びってことで、真辺の奢りで飯な?」




「はい?い。」




「お侘びってことで、お兄さんの奢りでシャンパンね?」




「……はいは…い?」




どさくさに紛れて加奈子ちゃんが言った言葉にお兄ちゃんは目を見開く。




「やったー!お兄の奢りで目眩く夜の世界へ……!」




「来させるわけねーだろ。何時だと思ってんだよ。さっさと帰れ。」




お兄ちゃんはそう言いながら、私の頭を叩いてくる。




今日のお兄ちゃんはホント冷たい。




「こんな時間にうろちょろしてたら危ねーだろ。心配させんな。」




いや、やっぱり暖かい。












美優side───fin───



「まさか!ツンデレ営業…」



「んな、わけねーだろ。」

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