第50話

「お兄…嘘でしょ…!私、パパから聞いたんだから……!」




バレバレな嘘をつくお兄ちゃんに詰め寄りながらそう叫んだ。




街中を通る人の視線を集めているけど、そんなの気にしない。




ここで引いたら逃げられる。




「あーもう、落ちつけって!ギャーギャー騒ぐんじゃねー。喚くなら帰れよ。」




お兄ちゃんはそんな私を不機嫌そうに見下ろす。




まるで私が口やかましいオカンか何かみたいな言い種だ。




「酷いよ。お兄……。」




今日のお兄ちゃんは本?に酷い。




「そうですよ!みーちゃんは本気で心配してるんだから!」




「凛ちゃんの言う通りだ!おーい。謝れよ。真辺ー!」




「嘘はダメだと思います。」




「凛ちゃん、加奈子ちゃん、親衛隊の方々……!」




皆の言葉に目頭が熱くなってくる。




私、本当にいい友達を持って幸せだ……。




「あぁーもう解った!俺が悪かった!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る