第37話
「みーちゃん……。本気で行くの?」
「行くために変装までして来たんだもん。」
凛ちゃんの問い掛けに、私はビルの壁際から顔だけを出したまま、そう答えた。
サラリーマン達がウハウハになる、花の金曜日の夜。
そう。
フライデー・ナイト。
私と凛ちゃんと加奈子ちゃんは、繁華街にあるお兄が前に働いていたホストクラブのお店の前に来た。
変装をして。
凛ちゃんの服装は、いつもと違ってコンサバ系のOL風
加奈子ちゃんは巻き髪の派手なキャバ嬢風
私はグラサンにスーツでスパイ風だ。
勿論、こんなコスプレみたいな格好でここに来たのには理由がある。
「お兄ちゃんここにいるの?」
そう。
私たちが変装をしてこんなビルの隙間から、覗き込む理由。
それはお兄の素行調査……!
パパに頼まれて、お兄ちゃんの素行調査をすることになった私。
2人にそのことを話したら付いて来てくれた。
正直、2人が一緒に来てくれてかなり心強い。
1人で来るのはちょっと怖かったし。
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