第35話
「おう。どこ行っとったん?」
何も知らない名倉君がレーシングゲームをしながら俺に聞いてくる。
さすがレーシングの神って言うだけあって1位だし。
「美優ちゃんを拐って密室に連れ込んでた。」
「……はい?」
「結局兄ちゃんに見つかっちゃったけどねー。」
「あぁ。そう言えば探してたな。」
あまり興味がなさそうに返事を返してきた名倉君は、堂々と1位でゴールして満足そうに笑みを浮かべた。
「おっしゃー!ナンパでも行くかー。」
「え?ナンパ?」
「可愛い子ちゃんと戯れようや。……な?」
楽しそうにそう言った名倉は俺の頭をぐしゃぐしゃに撫でてくる。
きっと俺のことを心配してくれてるんだろうな……。
やっぱり俺ってついてるよ。
だって、こんなに最高の友達がいるんだもん。
それにしても……。
「ナンパって、さすが恋愛の神。チャラいね」
「チャラないわ!お、俺は一途やぞ。」
拓真side──fin────
「そう言えば加奈子ちゃんは?」
「番号交換したら帰った。」
「チャラ男だ。」
「あ、あほか……!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます