第22話
正直に言うのは怖い。
でも、成宮君に嘘をつくのは嫌だった。
だから……。
「成宮君……私……本当は……本当は……拓真君に……っ。」
「言わなくていいよ。」
キスのことを言おうとした私の口を成宮君は片手で押さえてくる。
「聞いちゃったら俺……拓真のこと許せなくなりそうだから。」
そう言って目を細める成宮君は本当に悲しそうで。
「成宮君…私……」
「別れたいの?」
そう聞いて来た成宮君に心臓を鷲掴みされたかのように苦しくなって。
「別れたくない……っ。」
首を横に振ってそう否定した。
そんな私を見て成宮君は、呆れたようにため息をつく。
「そう思うなら、俺のネクタイ結んでてよ。」
そして、その言葉と共に唇が重なり……。
「………え?」
驚いて目を見開いた私に成宮君は
「あと、約40年間……ね?」
そう言って意地悪く笑った。
美優side──fin───
「あの、それって……」
「あ、眼鏡掛けようか?」
「……お、お願いします!」
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