第13話

「美優…?」




恥ずかしい妄想に悶えていた私を成宮君が不思議そうな顔で見つめてくる。




「あっ、ゴ、ゴメン。その…えっと……」




どうしよう……。




勢いで眼鏡を掛けて欲しいだなんて、お願いしちゃったけど……。




よくよく考えてみたら、言いづらいよ。




キスして欲しい……だなんて。




あぁ、もう考えるだけで恥ずかしすぎるっ……。




でも……っ。




「あの……」




言おうとしていることが、恥ずかしすぎて…もう堪えられなくて、私は思わず俯いた。




「……ん?なに?」




「……えっと……」




「えっと?」




成宮君は楽しそうに私の言葉を真似して優しく微笑んでくる。




成宮君のオウム返し……。




何だか懐かしいよ。





初めて好きって言った時もしてたっけ?




成宮君に対する気持ち、あの時から全然変わってないや。




ううん。あの時よりももっと好き。




いつもドキドキしすぎて、目眩がしちゃいそうだよ。

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