第12話

成宮君とよりを戻して数日後。




今日は放課後デートをすることに……。




来たのは、ガヤガヤと騒がしい繁華街にある名倉達とこの間来たファーストフード店。




あの時はポテトとジュースを片手に成宮君とここでお喋りが出来るなんて夢にも思ってなかった。




もうホント、幸せだよ…っ。




そう喜びをひっそりと噛み締めながら、私は飲んでいたジュースをそっと机の上に置いた。




「成宮君。眼鏡掛けてみて?」




そして、成宮君にそうおねだりしてみた。




何を隠そう、ネクタイの次に眼鏡フェチな私。




眼鏡を外して……なんてあのドラマのシチュエーションを一度でいいから体験してみたい。




「急にどうしたの?」




そう言って成宮君はジュースを飲みながら不思議そうに私を見つめてくる。




確かに不思議に思うよね。




斗真の正体が解ってから一度も眼鏡を掛けていない成宮君。




斗真のことで気を取られていたから忘れてたけど、今思えば成宮君は眼鏡すらも似合うわけで……。




そんな成宮君に眼鏡を外してキ、キスとかされちゃったら……。




キャー!




キスだって!




想像するだけで素敵すぎる……!

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