第10話

ちょこちょこ歩いて犬みたいやし。




そんな拓真君に俺はキュンって……。




……もういいや。




素直に自分の気持ち認めよう。




「なぁ、拓真君。」




もう隠すんもしんどいし。




「なにー?」




コイツも正直に話してくれたし、俺も正直に自分の気持ちを言えばいい。




「あんな、俺……。」




別に男を好きになって何が悪い。




「うん?」




好きなもんはしゃーない。




何も悪いことじゃない。




堂々としてれればいい。




「拓真君のこと好きやねん。」




例え引かれたとしても。









「俺も名倉君好きー。」




「……え?」




い、今…幻聴みたいなもんが聞こえたような……。




驚きすぎて目を見開いた俺に拓真君は無邪気な笑顔を向けてくる。




「俺も名倉君好きだよ。俺たち親友だよなー。」




……ですよね!!




一瞬めっちゃ焦ったわ。




心臓に悪いし。




コイツほんま俺のこと振り回しまくりやな。




でも、まぁ……。




『──兄ちゃんに勝てない』




同じなんかも知れんな。




振り回されてんのは。




振り回されて振り回す。




それが恋ってもんやでな。














名倉side──fin──




「で?名倉君の好きな子ってどんな子?」



「ガーベラみたいでマショマロみたいなヤツ。」

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