第66話
そもそもの話─…
”こんな髪型をしてみたい”なんて私が言う権利なんてなかったように思える。
っというのも、美容師の下積み時代…カットモデルやカラーモデルなど。颯斗に練習台のように使われていた私の髪の毛は、、
長年、酷く傷んでいたので…理想の髪型、なんて考える余裕もなかった。
その実験モデルのような練習台も、颯斗がスタイリストになってからは無くなり─…その頃になってようやく私の髪を大事に扱うようになってくれた颯斗。
その甲斐あって、今ではヘアカラーを卒業し地毛のままでも十分ツヤツヤのロングヘアで居られるようになった訳なのだが、、
「私がやりたいヘアスタイルって…何?そんなこと颯斗に話したことあった?」
身に覚えのない約束事に思えて、颯斗に尋ねてみると…彼は何だか切なげな表情を浮かべて、、
「……別に、覚えてないならいい」
なんて…珍しく落ち込んだ様子でそう呟いたので何だかこちらが悪いことをしたような気持ちになって終わった。
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