第11話
「……ご馳走さま」
手を合わせて先に席を立った颯斗。彼がシンクへと食器を運んでいる間に…テーブルの上に置かれていた颯斗のスマホの画面が光った。
「ん…颯斗、スマホ光ってるよ」
メッセージの知らせ…というよりは、小刻みに震えているところを見ると着信を知らせているような気がして颯斗に声を掛けた。
「あー…どうせ
萩花さん、というのは…颯斗の働いている美容院で店長をされている方で、彼女には私も何度かお会いしたことがある。
同じ時期に入社した同期みたいだが、彼女の方が早く出世してしまい…
店長になる機会を逃したと言って、悔しそうに彼女のことを話す颯斗を何度か見たことがあるので、良きライバルであり信頼のできる同僚なのだろうと私は勝手に思っている。
(…仕事で何かトラブルでもあったのかな?)
この時間に連絡してくるなんて、体調が悪くて明日は休みたいとか…そういう連絡じゃないのかな?
っと、特に疑うことも無く…未だ震え続けている颯斗のスマホに何気なく視線を送る。
「……え…?」
颯斗の言葉を鵜呑みにして完全に”萩花さん”からの着信だと思っていた私は、その画面に表示されている” 香菜 ”という文字を見て…激しく胸がザワついた。
………一体、誰?
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