自分のけじめ side 河原
1
(side 河原)
文化祭実行委員会の活動を終えて平澤を帰らせた後、柚木先生と2人になった俺は、思わず要らないことを口走ってしまった。
「お前まだ、平澤とキスしているのか」
「……何ですか突然。それ、河原先生に関係ありますか?」
「…………」
目を細めながら口を尖らせる柚木先生。
その表情からは、感情が何も読み取れない。
「河原先生こそ、急に態度を変えてどうしましたか。気持ち悪いですよ」
「気持ち悪いの一言は余計だ。お前が中途半端だって言うから。ちゃんとしようと思ってんだ」
「……結局、それすら中途半端です。平澤さんの想いに応えるつもりが無いなら、止めて頂きたい」
「……お前には、関係ない」
「…………」
キリッと俺の顔を睨んで、柚木先生は何も言わずに多目的教室から出て行った。
「……はぁ」
頭が痛い。
俺自身、平澤に対しての感情があやふやで、上手く言葉にはできない。
最近、俺もおかしいんだ。
抱きつかれても嫌な気がしない。
つい頭に触れたくなる。
柚木先生と楽しそうに話していると、心がモヤッとする。
どうかしている。
高校生なんて子供だと、最近まで思っていたはずなのに。最近の自分の感情がよく分からない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます