環境の変化

1



 結局学校を3日間休み、土日を挟んで月曜日にやっと登校した。


 いつも3人で待ち合わせをしていた場所には、当然だが誰もいない。




 私は初めて、1人で学校に向かった。




「あ、菜都! おはよ、大丈夫だったか?」

「け……圭司。だ、大丈夫」



 教室に入ると男友達と会話をしていた圭司が飛んできた。


 既に席に座って読書をしている愛理も視界に入る……。しかし愛理は、こちらを見向きもしない。



「熱出たんだって? 良くなった?」

「うん、もう大丈夫」

「良かった……無理するなよ」



 そう言って私の肩をポンッと叩いた。



 愛理の件があるから、気まずくて……辛い。




「はい、席に着け」




 本鈴が鳴り響くと同時に現れた河原先生。私の方を一瞬向いて、少しだけ口角を上げた。



 今日の放課後は、河原先生とお話。伝えたいことって、何だろう。


 考えれば考えるほど心拍数が上がり……心臓が痛いくらいに悲鳴を上げる……。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る