二人の境界線

第61話

「…凄いライバルが多い。」



アタシと由芽は感染対策委員で来月の勉強会の打ち合わせをしていた。



「由芽が気に入るくらいだから仕方ないんじゃない?」



アタシはペンをクルクル回しながら言った。


「消化器内科の女医がね早速五葉先生を飲みに誘ったら笑顔で断られたらしいよ。」



アタシはサツキの好みの女性を知らない。

興味もないけど…。



「でも指くわえて見てるだけじゃ何にも起こらないよね!?」



「うん、そうね。」



「アタシ、今日にでも先生を誘ってみる!」



由芽はガッツポーズをみせる。

試合にでも参戦する気か、このコは。



「まあ頑張ってみなよ。」



あの美人な女医がダメで看護師の由芽がOKなんて有り得ないからアタシは適当に由芽を激励しておく。


でももしサツキが由芽を気に入ったら?



アタシはサツキと誠実な幼なじみに戻れる。

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