第53話

マンションに着くとサツキの部屋の電気がついていた。




「かのん、よく俺が起きてるの分かったね?」



サツキはシャワーを浴びていたのか髪を拭いていた。



「うん、仕事の帰り。部屋の電気がついていたから。結構遅くまで仕事してたんだ?」



「まあね、ゼロから始めるわけだし。入れば?」



「ううん、差し入れしに来ただけ。牛丼。」



「げ、夜中に牛丼?ナースっていつでも食べれるよね。」



「不規則な生活をしてるんで。いらないならアタシが持って帰って食べる。」



アタシは差し出した牛丼入りの袋を戻そうとした。



「一緒に食べようよ、俺明日は昼出勤だから。」


サツキはそう言って牛丼入りの袋を引っ張ってアタシを部屋に入れた。

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