幼なじみの憂鬱

第51話

―――――


アタシより先にサツキが起きた。


「サツキ…、」


「あ、起こした?ゴメン。」



サツキは上着を着ている途中だった。

薄暗い部屋でもサツキの綺麗な身体のラインが見える。


「いま何時?」


アタシはベッドサイドに置いている幼稚園の卒園式でもらった目覚まし時計を見た。

そのアナログの時計は5時を指していた。



「起きるの早くない?」



「うん、今日はかのんの病院に行く日なんだ。今日から外来が始まるからその準備に行かないといけない。」



そうだ。


サツキは医療センターの医師だけど、アタシが働いている病院の心外の医師でもある。




幼なじみのくせにアタシの色恋沙汰に口を挟んでくるうざい男――――。

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