第14話

「おかえり。」



「サツキ…今夜中だよ?」



「うん、今日オペがあって患者が落ち着くまでいたから。」



そうなんだ、てことはサツキは外科医なのか。



「サツキって外科医なの?」


そう言うとサツキは笑い出す。



「昨日言ったじゃない、心外だって。もう忘れたの?」



“昨日”という言葉でアタシは焦る。


「あ、昨日は本当にゴメン!!なんか凄く酔っちゃって。」



「ああ、あれは凄かったね。」



サツキはそう言いながらエレベーターに一緒に乗った。



「そ、そんなに凄かった?」


アタシの酔い具合。


サツキは8階のボタンを押す。



「うん、凄くね。俺あんなの初めて。」



うわっ、アタシ一体どんな醜態を彼に見せたんだ!?


アタシは急いで自分の階の4階ボタンを押そうと手を伸ばす。

だけどそれはサツキの手で制される。



「ちょ、ちょっと!?」


4階は簡単に過ぎてゆく。



「かのん、俺なんだか凄く疲れてて寝れそうにないんだ。」



「は?」



だから、なに?

また飲ませる気!?



「だから昨日みたいにセックスしよう。」




エレベーターは8階についた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る