第9話

――――――




「…のん、かのん。」


遠くでサツキの声が聞こえる。



「ん……何時?」


アタシは今どこで寝てるのか、座っているのか分からない。



「0時すぎ。ねえ、動けない?」



「う…ん、動けない。酔った。」



「全然?本当に酔ってる?」



サツキはアタシを無理やり立たせる。

でもアタシがふらつくから急いでサツキは身体を支える。



「だから酔ったってばあ……」


アタシは身体に力が入らなくてサツキにもたれる。


あの幼稚園のときのサツキの身体ではなくて……。



「そう、こんなに酔ったら俺連れて帰れないよ。」



何やってるんだろう、アタシ。

こんなになるまで酔って。

ワインがいけなかった、手酌で飲んだワインが。



「泊まれば良いよ、どうせ同じマンションなんだから。」



「ごめん…」




アタシは申し訳なくてサツキに謝った。

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