第55話

俺は野宮さんの廻診の様子を見に循環器科病棟に上がる。


すると入職して間もない河本さんに会った。



「あ、タッキー!」


「河本さん、ちゃんと医療コンサルタントの仕事してくれてるの?」



「当たり前じゃん、これでもアタシ優秀なの。」



「うん、それは知ってる。で身体は大丈夫?」


俺がそう言うと笑っていた河本さんは首を傾げる。



「…アタシよりはなをちゃんとみてあげて?この前久しぶりに会ったはなは、笑っていたけど…。」



「うん…分かってるんだけど、正直どうしてあげたら良いのか分からない。俺はそんなに気にしてないのに。」



「うわ、自分の奥さんほっておいてあんなチャラチャラした女医に誘惑されてるんだ?」



「…何が言いたいの?」


俺は河本さんらしくない言葉にムッとする。



「彼女の評判が良くない事をもう君は知ってるの?」



「さあ。ねえ、タッキー、アタシはいつでもはなの味方なの。あのコの気持ちが分からないなら貴方は最低のパートナーだよ。」

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