第53話

「…だから、論文以前に臨床しに来てるんだからCPR覚えなさい。」



俺は野宮さんの指導に少々疲れが出てきた。


「だって急にVTとかビックリしました。」


「あのね、野宮さんは何しに来てるの?」



このコは一体どんな医者になるつもりなんだ?



「蘇生できないなら君が此処にいる理由はないんだ。」



「…すみません。」



野宮さんは俯く。

ちょっとキツく言い過ぎた?



「ごめん、もう行っていいよ。病棟廻診してきて。」



「アタシ、今度はちゃんとしますから!」



「…お願いします。」



野宮さんが病棟に行った後、入れ替わるように冬弥が入ってきた。

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