第44話

――――


昨日の夜はなからメールが来た。


明日彼女は帰って来る。



「律先生、この患者さん♯3CTOです。」



「ああ、でもコラテがきてるから循環は保たれてる。来週の治療でいいから。」


野宮さんのカテの補助から俺は降りると操作室に戻る。


すると冬弥がいた。


「律せんせぇ、俺にも指導してくださあい。」



「…断る。」


俺はコーヒーメーカーを取るとカップに注ぐ。



「野宮リオちゃん可愛いねえ?なんかいっつもイイ香りがする。」


「…さあ、あまり気にしていない。」


でもさすがにあの香水の匂いは気になる。


医師が香水とかは…、でもあの大学出身なら仕方ないか。



「なあ、あのコお前追いかけて来たんだろ?結婚してるって聞いて相当へこんでたからな?」

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