第35話

「あ、そのペン俺も持ってる。野宮さん俺の後輩なんだ?」


彼女は声にならないのか何度も頷いた。



「で、律には彼女を担当してもらうから。野宮先生はお前と同じ循環器医師だから。」



「…そう、分かった。宜しく。」



俺がそう言うと野宮さんは少し安心したのか微笑んだ。


大学の後輩か…


あの時の医師になった時の懐かしい想いが一瞬駆け巡った。



はなへのもどかしい想い…

エリーとの事…

諦め切れなくて日本に戻った事…


7年間の生活を彼女越しに思い出した。

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