第91話

「え?どうしたの?」




「見つかると面倒だし、隠れちゃおうよ?」




成宮君は人差し指を口に当てると静かにしててね。っと言いながら私を教卓の下に引き入れた。




「あら?いないじゃないの」




教室の扉が開くとともに、葉山さんの声が聞こえる。




中に入って教卓に近寄られるとバレるかも知れない。




はりつめた空気の中、私と成宮君の間には緊張の糸が張り巡らされる。




……って言いたいところだけど。





成宮君が近すぎて気絶しそう。




狭い教卓の下。




2人が隠れるには密着しなければ無理なわけで……。




必然的に、只今の私たちの距離は0㎝。




今までの中で1番の新記録だよ。




心臓がドキドキして仕方がない。

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