第五章 オウム返し

第78話

夕暮れの教室。



見慣れた緑の黒板に茶色のイスと机。



机に広げられたノート。




そして、隣には大好きな彼。




私、トコトンついているのかも知れません。





だって……。




憧れの……憧れの成宮君と……。






2人っきりで居残りが出来るなんて……!




素敵すぎるよっ。



推薦してくれた先生に、拍手喝采だ。




「山崎さん?聞いてる?」




1人で舞い上がっている私の肩を成宮君がトントンっと叩く。




「き、聞いてるよ!」




成宮君に呼ばれて我に返った私は慌ててノートに目を移した。




そう。夕暮れの教室に2人っきりでいる理由は、ただ1つ。

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