第76話

「んで、ここの具合が悪いの。見て?って成宮の手を山崎の……」





「いい加減にしろ。ド変態」





ニヤニヤ笑いながら話していた名倉の頭を、成宮君がパシッと叩いた。




「痛……!殴らんでもええやろ」




名倉が頭を擦りながら、成宮君を睨む。




「変なことばっかり、言ってるからだろ?」




「何が変なことやねん?そんなんされたら、お前だって落ちるやろが」




呆れ果てている成宮君に、名倉は自信満々に言い切る。




「……別に」




でも、成宮君は素っ気なくそう答えて、窓の方に顔を背けてしまった。





「嘘つくなや。顔赤いで?」




名倉は懲りずに成宮君を挑発し続ける。

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