第68話

「みーちゃん!」




「あ、凛ちゃん。おはよー!」




教室に入った私に、凛ちゃんが抱き付いてきた。




「昨日、男の子たちに連れて行かれたって聞いたけど、大丈夫だったの?」




凛ちゃんが、うるっと目を潤ませながら私を見上げてくる。




うっ……。




大丈夫と言えば、大丈夫だったんだけど……。




連れて行かれた理由が、凛ちゃんの番号だっただけに気まずい。




「私は大丈夫! それより凛ちゃんも気を付けなきゃダメだよ?絶対に! ってか帰り道は絶対に信彦君に送って貰いなね?世の中物騒だから。ねっ?」




私が凛ちゃんの肩をがっしり掴んで力説すると、凛ちゃんはキョトンとした顔を浮かべた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る