第65話

お兄ちゃんのせいで、髪の毛がグシャグシャだ。




「もう!バカ……」




私は、手で一生懸命髪の毛を直した。




うぅ……せっかく、今日は上手く髪の毛が真っ直ぐになったのに。




「ここ、絡んでるよ?」




それを見ていた成宮君は、本当にスマートに私の髪に指を通した。




スルスルと、成宮君の指が私の髪の毛を撫でていく。




髪の毛を触られるのって、何だか心地いい。




それに、成宮君に髪に触れて貰えるなんて……!




「このまま、時間が止まればいいのに……」




止まってしまえば、こっそり成宮君の胸に顔を埋めて……。

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