第63話

「もう! 兄上、痛いっ!」




「さっそく兄上かよ?ってか何してんの?こんなところで」




お兄ちゃんが、不思議そうな顔で私と成宮君を交互に見つめる。




「さっき言ってたお兄さん?」




「あ、そうだよ!」




「お兄さんじゃねー。彼氏だ」




「え?」




「嘘ー!」




お兄が、成宮君に冗談を言ってケラケラ笑う。




お兄ったら、成宮君に誤解されちゃうじゃん!




「変なこと言わないでよね!」




成宮君に勘違いされちゃったら、頑張る前に私の初恋も呆気なく、さようならだよ。

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