第三章 眼鏡君

第37話

それから葉山さん達が来ることもなく……。




授業が終わった私は、デートに行くと言う凛ちゃんと伸彦君に別れを告げて教室を出た。




人がざわめく廊下を歩く。




あの後、凛ちゃんにお礼を言ったら、凄く笑顔で『前進出来たね!』と言ってくれた。




凛ちゃんの勇敢さと優しさには本当に頭が上がらない。




凛ちゃんの強さを改めて認識した日だった。




それに比べてチキンな私はあの後から、なんだか教室で成宮君と話すのは気まずくて……。




一度も後ろを振り向かずに1日を過ごした。




せっかくのチャンス到来なのに、何をしているんだ私は。




そう落ち込んでいたとき、不意に肩を叩かれた。

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