第95話

―――――……

あの時、本当は頭の隅に掠めた想いがあった。


「本当は……か、川嶋先生に、その……抱かれてみたいって思ってしまいました。」


そう言うと彼は驚く。


「すみません、変な事言って。だけど嘘はもうついてはいけないと思ったので……。」


「……りせは処女だったんだよね?」


「そんなハッキリ言わないでください。恥ずかしいじゃないですか!」


「いや、りせのさっきの言葉の方が凄くドキドキするんだけど。なに、煽ってるの?信じられない。」


そう言って川嶋先生はアタシを抱き締める。


「俺、もうりせに骨抜きにされた。責任取ってよ。」


―――その日、アタシは川嶋先生と同じベッドで二度目の夜を過ごした。

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