第85話

街なかを抜け、アタシは川嶋先生のマンションに辿り着く。


「ケイタイ貸して。」


リビングに入ると彼は手を差し出す。


「ど、どうしてですか?」


「いいから、早く。」


急かすように言われアタシはバッグからそれを取り出し彼に渡す。


「マツのアドレスは消しておかないとね。」


「はい!?ちょっと何勝手な事してるんですか!」


アタシは川嶋先生からケイタイを奪う。


だけど、松木先生のアドレスを消去された後だった。

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