第70話
そのまま4人での時間は過ぎていく。
だけど息が詰まりそうな感覚が何度もアタシを襲っていた。
川嶋先生が時折探るようにアタシを見るから。
アタシは途中パウダールームに入った。
彼から離れると身体の力が抜けて溜息が出た。
鏡の前の自分自身を見つめると青白い顔が映る。
川嶋先生に今まで会う事なんて皆無だったのに……あの日から彼と関わる機会が多い。
アタシにとってはそれが凄く困る。
アタシの心の中は動揺してばっかりなのに、彼はオトナなのか冷静でいる。
なのに、
逃げたアタシに腹を立てているとか、一夜限りのめんどくさいアタシとまた会ってしまった……とか彼の本心を知りたいと思った。だけど、そんなこと聞けるはずもなかった。
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