第62話

こんな日に川嶋先生を考えるとか理不尽だ。


彼を考えながらアタシは今夜別のオトコのヒトに会う。


アタシは自分がそんな事ができる人間なんだと驚く。


アタシはクローゼットに目をやる。


そこにはあの時、川嶋先生の寝室から持って逃げたシーツがある。


捨てる気にはなれず、洗濯をして置いたままにしていた。


クローゼットを開けるたび下段のシーツが視界に入る。すると、あの日の羞恥心とか……彼の優しい甘い声音とか身体の感触や体温が鮮明に蘇っていた。



そのたびにアタシは……川嶋先生の事を好きになってるのだろうか?と自問自答していた。

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