第42話
「ん……、りおこ?」
隣で眠っていた川嶋先生がアタシの背中に触れた。
その感覚にアタシの身体はビクンと反応する。
それはもうさっきの甘い感覚ではなくて、
足元から冷えていく感覚に変わっていた。
アタシは横たわる彼の方を向くことが出来なかった。
「なにその反応……傷つくんだけどね。」
川嶋先生はそう言いながらもどこかその声には優しさがこもっていた。
「2時過ぎか、シャワー使ってもいいよ?」
「あ、後でいいです。川嶋さん、お先にどうぞ。」
アタシはそう言って起き上がる。
背中に触れていた彼の手が離れて少し安堵する自分がいた。
身体が痛い。
「そう……?大丈夫?ねえ、りおこ……って、」
川嶋先生は何か言い掛けたけどそれを止める。
「なんでもない、じゃあ先に使うから。出たら何か食べるもの作るよ。」
アタシは無言で頷く。
彼は暗い部屋の中でもアタシを捕えてキスをした。
そして寝室のドアが閉まった。
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