第39話

「……なに?」


川嶋先生はアタシに軽くキスをしてそう言った。

少し息の上がる彼の声は耳から全身にかけて甘い毒のようにかけ巡る。


「何でも、ないです……っ、」


「そう、でも何か言いたげだけど。俺の余裕があるうちに大事な事は言って?その後は……保障は出来ないな。」


川嶋先生は薄く微笑む。


それがとても綺麗だと思った。


もう一度、彼がアタシにキスをしようとした時、



「川嶋さんは……、」


「なに?」


彼は話すアタシの唇に啄むようにキスを続ける。


「あの……っ、」


「もう色々頭で考えるの止めたら?俺に集中してよ。」



そう言って彼はアタシが今まで経験したことのないくちづけをした。

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